北海道の雪の精
北海道旅行に息子と旅行に行ったので北海道を
舞台にした話をしました。
冬や北海道に関する言葉を出すよう心がけまし
た。
雪の精との出会い
むかしむかし、パパが子どもだったころのお話です。 パパはスキーが大好きで、よく北海道に行っていました。ある冬、小さなスキーの村にしばらく泊まることになりました。
ある朝、パパが雪の上を歩いていると、小さなキラキラ光る雪の結晶がひらひらと舞い降りてきました。その結晶にそっと触れると、ふわっと光が広がり、雪の精が現れました。
「こんにちは、パパ!ぼくは雪の精のユキオです。」
パパはびっくりしましたが、ユキオはにっこり笑って言いました。
「実は大変なことが起きたんです。遠くの白い山に住む氷の王様が、冬を終わらせる魔法をなくしてしまいました。」
パパ:冬の次の季節は?
息子:春!
「このままでは春が来なくなってしまうのです。」
パパは少し考えましたが、「ぼくが手伝うよ!」と元気に言いました。こうして、パパとユキオの冒険が始まりました。
キタキツネの親子のアドバイス
パパとユキオが歩いていると、大きな凍った湖が現れました。湖を渡ろうとすると、ツルツルと滑る足元にびっくり!
そのとき、キタキツネの親子がすーっと滑るように現れました。
息子:キタキツネって?
パパ:北海道に住んでるキツネ、
パパ:どんなキツネか想像してみて!
パパ:明日図鑑で調べてみよう
「湖を渡るときは気をつけるんだよ。」とお父さんキツネが言いました。
「氷の上の白っぽいところは薄くて危ないから、そこは避けてね!」と子ギツネたちが教えてくれました。
パパはキツネの言う通りにしながら、慎重に湖を渡りました。ユキオも、ふわふわと雪のように飛びながらついてきました。
こうして、ふたりは無事に湖を渡ることができました。
フクロウのアドバイス
湖を渡ると、あたりは雪に包まれた深い森になりました。パパとユキオは、どこへ進めばいいのかわからなくなってしまいました。
そのとき、フクロウがふわりと飛んできて、木の枝にとまりました。
「この森では、目で見るより耳を使うことが大切です。」とフクロウが言いました。
パパは耳を澄ませました。すると、風が木を揺らす音や、遠くから小さな川の流れる音が聞こえてきました。
「小川の音の方へ進んでごらん。山はその先にありますよ。」
フクロウに教えてもらったおかげで、パパとユキオは正しい道を進むことができました。
モミの木のアドバイス
山道に入ると、突然、強い風が吹いて雪が舞い上がりました。吹雪がひどくなり、前が見えなくなりました。
「どうしよう……。」とパパがつぶやくと、大きなモミの木が優しく言いました。
息子:クリスマスの木!
パパ:そう、寒さに強い木なんだよ
息子:スキー場にあった木は?
パパ:どんな木だったか覚えてる?
パパ:明日調べてみよう。
「吹雪のときは慌てずに、自然に従うんだよ。」
「この枝の下においで。ここなら風が防げるから、しばらく待つといい。」
パパとユキオはモミの木の下に入り、じっと待ちました。すると、少しずつ風が弱くなり、雪が落ち着いてきました。
「もう大丈夫。山の頂上はすぐそこだよ。」
モミの木にお礼を言って、パパとユキオはまた歩き始めました。
氷の王様と魔法のかけら
ようやく山の頂上にたどり着くと、大きな氷の城がありました。そこには、困った顔をした氷の王様が座っていました。
「どうしよう……。春を呼ぶ魔法のかけらがどこかへ飛ばされてしまったのだ。」
パパは、これまでの旅を思い出しました。
キタキツネがくれた氷の小片、フクロウが教えてくれた風の音、モミの木が守ってくれた雪……。
「もしかして、これを合わせたら魔法が戻るんじゃない?」
パパがキツネの氷を王様に渡し、ユキオが風の音を集め、モミの木の雪をそっと王様の手にのせました。すると、ふわっと光が広がり、冷たい風が優しく吹きました。
すると、王様の手のひらに「春を呼ぶ魔法のかけら」が生まれました!
氷の王様はにっこり笑いながら、魔法を使いました。すると、山の雪が少しずつ溶け始め、空に春のあたたかい風が吹き始めました。
村に帰って
村に戻ると、雪が少しずつやわらぎ、春の気配が感じられました。
パパは、みんなに冒険の話をしたくてたまらなかったのですが、ユキオのことは自分だけの秘密にしておきたいと思いました。
きっと、「雪の精と一緒に冒険したんだよ!」と話しても、みんなは「ふふっ、夢の話みたいね」と笑ったことでしょう。
でも、パパの心の中には、ユキオとの大切な思い出がずっと残っていました。
そして、北海道に行くたびに、パパはまたユキオに会えるかもしれないと思いながら、雪を眺めるのでした。
おしまい