パパがトトロに会ったお話
映画トトロを初めて見た息子との会話が
きっかけで考えました。
実はね、パパも子どもの頃、田舎に住んでいたときにトトロに会ったことがあるんだよ。
その日、山でどんぐりを18個拾って、家に帰ってテーブルの上に並べていたんだ。 すると、部屋の隅で黒っぽいものが ささっ、さささっ と走り回る気配がしたんだよ。
「なんだろう?」と思ってテーブルを見ると、どんぐりが 2個 減っていた。 「あれ?」と思っていると、また ささっ! と黒い影が動いて、次に見たときには 9個も なくなっていたんだ。
パパ:テーブルに残っているどんぐりは何個
パパ:だと思う?
息子:7個!
どんぐりを取り返さないと!と思って、その黒い何かが走り去ったほうを見ると、また黒い影が見えた。 パパはそれを 「まっくろくろすけ」 と名付けたんだ。
「待てー!」と追いかけてみることにした。 部屋を抜けて家を飛び出し、山のほうに向かって走ると
突然、草むらの中に トンネル があって、そのまま 下に落ちてしまったんだ!
ふわっ
落ちた先はふわふわしていて、やわらかかった。
息子:「トトロや!!」
トトロは、どんぐりをもらったお礼なのか、パパを ひょいっ と持ち上げると、 空高く舞い上がったんだ!
秋の夕暮れの空は、燃えるようなオレンジ色に染まっていて、雲はふんわりと金色に輝いていた。 空気は澄みきっていて、どこまでも遠くまで見渡せた。
眼下には、なだらかな山々が夕陽に照らされて赤く染まり、川はその光を映してキラキラと光っていた。 田んぼは黄金色に波打ち、風が吹くたびにざわざわと揺れていた。
遠くの村の屋根からは、ぽつりぽつりと夕飯の煙が昇っていて、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような気がしたんだ。 なんだか 不思議で、夢の中にいるような気分 になったよ。
そのうち、トトロは急に地上へ降り立つと、パパをそっと下ろして去っていった。
「ここはどこだろう…?」
ちょっと不安になっていたら、急に雨が降り出したんだ。 でも、近くにバスの停留所 があったから、そこに駆け込んで雨宿りすることにした。
しばらくすると、バスの気配がした。
「お、バスが来たぞ…」
よく見てみると
猫バ、、
息子:「犬バス!!」
パパ:「犬バスってどんなの?」
息子:「明日お絵描きして見せてあげる!」
パパは 犬バス に乗って、無事におうちに帰ることができたんだ。
パパ:パパが空から見えたものは何だった
パパ:でしょう
息子:田んぼと川と煙突から煙と、、
息子:煙突なんてパパの田舎にはないよ