じゃがいも太郎
シェア畑で、運営の方に息子がじゃがいも
掘りをさせてもらい、大喜びでした。
その体験から、この物語を思いつきました。
桃太郎では、桃が水に浮かんで流れてきますが、
じゃがいもは水に沈むため、
その対比を活かして物語を考えてみました。
じゃがいも太郎
むかしむかし、ある村におじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんが畑でじゃがいもを掘っていると、なんと一本のつるに男の赤ちゃんがぶら下がっていました。 「これはめずらしい!きっと神様のおくりものじゃ」と、おじいさんは赤ん坊を抱き上げました。
ところが、家に持ち帰ろうとしたそのとき!赤ん坊は手からツルンとすべり、川へゴロゴロと転がり落ちてしまいました。
ぼちゃん
赤ん坊は水面に浮かぶことなく、まるでじゃがいものように すぐに沈んでいきました。 おじいさんは驚き、慌てて川をのぞき込みましたが、すでに姿は見えません。
パパ:じゃがいもと桃で違うところあった?
息子:じゃがいも沈んだ!
パパ:沈むものと浮かぶもの違いはなんだと
パパ:思う?
息子:じゃがいもは土の中で育つからって知
息子:ってる!
パパ:このお話の季節はいつだと思う?
息子:じゃがいもを収穫しているから秋!
「なんということじゃ……!」
しかし、そのとき川の下流から、おばあさんが何かを引き上げました。 それは、泥まみれになった赤ん坊でした。
「おじいさん、大丈夫ですよ!ちゃんと拾い上げましたから!」 おばあさんは赤ん坊をしっかり抱きしめ、家へ連れて帰りました。
家に戻ると、赤ん坊は土の中に潜り込んでゴロゴロ動き回っています。 「これはまるで、じゃがいもみたいじゃな」 そう言って、おじいさんとおばあさんはその子を 「じゃがいも太郎」 と名づけ、大切に育てました。
鬼の襲来
ある日、恐ろしい鬼たちが村へやってきて、村人たちの食べ物を次々と奪っていきました。 「こりゃあ大変じゃ…」 村人たちは困り果てましたが、じゃがいも太郎は「ぼくにまかせて!」と立ち上がりました。
じゃがいも太郎は、土の中でゴロゴロと転がりました。 すると、畑いっぱいにじゃがいもがゴロゴロと実り、村人たちはそのじゃがいもを収穫して食料にすることができました。 鬼に奪われても、次々と新しいじゃがいもが育つので、村は食料に困ることはありませんでした。
ところが、鬼たちはじゃがいも太郎をさらい、鬼の住む山へ連れて行ってしまいました。 「お前は不思議な力を持っているじゃがいもだな。ここでたくさんのじゃがいもを育てるのだ!」 鬼たちはじゃがいも太郎に畑を耕させ、たくさんのじゃがいもを育てさせました。
じゃがいも作戦
鬼たちは次々と芽の出たじゃがいもを食べました。 しかし…鬼たちはみんなお腹をこわしてしまいました! 「ぐぬぬ…腹が痛い!」「なんだこれは…!」 じゃがいも太郎は、芽の出たじゃがいもには毒があることを知っていたのです。
そこへ、じゃがいも太郎を助けるために村人たちがやってきました! 「みんな、いまだ!」 鬼たちが苦しんでいる間に、村人たちは力を合わせて鬼を追い払い、じゃがいも太郎を助け出しました。
じゃがいも村の平和
村へ帰ったじゃがいも太郎は、みんなと一緒においしいじゃがいもを育てました。 鬼もこりて、もう二度と村へは来ませんでした。
こうして、村には平和が戻り、おじいさんとおばあさん、そして村人たちはおいしいじゃがいもを食べながら幸せに暮らしましたとさ。
おしまい